京都市の小学校で給食の残り食材を使ってまかない料理を作った調理員2人が懲戒処分を受けた事案がありました。
2025年1月27日、京都市教育委員会は市立小学校の60代女性と50代女性の給食調理員2人を減給(平均賃金の半日分)の懲戒処分となりました。
SNSを中心に「善意の行動に対する処分は厳しすぎる」といった擁護する声や、「これ、立派な横領・窃盗なのですよ…むしろ減給で済んでよかった。」という指摘があります。
本記事では、この事案に対しての世間の声や誰が通報したのか調査しました。
京都市の学校給食でまかないを作ったのはルール違反?
京都市の市立小学校で発覚した、給食の余り食材を使用したまかない作り。
これに対し、2人の給食調理員が懲戒処分を受けたことが大きな議論を呼んでいます。
では、この行為は本当にルール違反だったのでしょうか?その詳細を見ていきます。
まかない作りの経緯
このまかない作りは、2022年度から60代の給食調理員が始め、2023年度には50代の調理員も加わる形で継続されていました。
調理員たちは、給食の提供後に余った食材を使い、唐揚げやおにぎりといった料理を作っていました。
その際、私的に持ち込んだ調味料を使用し、遅くまで勤務する教職員に提供していたことが確認されています。
善意ある行動なのに懲戒処分は辛いですね。
調理員たちは「廃棄するのはもったいない」「遅くまで働く教職員に食事を作ってあげたかった」と善意から行っていたと述べています。
しかし、この行為が学校給食のルールに違反しているとして、問題視されることとなりました。
ルール違反とされた理由
学校給食には厳格な衛生管理基準が定められており、以下の点が問題視されました。
- 給食費で購入した食材の私的利用
- 給食の食材は生徒のために使用されるものであり、残った食材でも私的に利用することはルール違反とされています。
- 私的な調味料の持ち込み
- 学校給食の調理場では、許可されていない食材や調味料を持ち込むことが禁止されています。これは、衛生管理の一環であり、食中毒のリスクを避けるための措置です。
- 食中毒のリスク
- 給食調理員が業務外で作った料理は、正式な衛生管理の対象外となるため、食中毒が発生する可能性がありました。
処分の内容と世間の反応
2025年1月27日、京都市教育委員会は以下の処分を発表しました。
- 60代および50代の給食調理員:減給(平均賃金の半日分)
- 校長:教育長厳重文書訓戒
この処分に対し、SNSでは様々な意見が飛び交いました。
護派の意見
「食品ロス削減の観点から見れば、むしろ良い取り組みでは?」
「教職員への配慮があったのだから、もう少し寛容な処分で良かったのでは?」
批判派の意見
「給食費は児童のためのものであり、私的利用は横領にあたる」
「衛生管理上の問題があるため、当然の処分」
また、この問題が発覚したのは「給食の余り物でまかないを作っている」という匿名の通報がきっかけでした。これに対し、「なぜ今さら通報が?」と疑問を抱く声も上がっています。
学校給食のルールと食品ロスの問題
今回の事案は、学校給食の厳格なルールと、食品ロス削減の意識の間で意見が分かれる問題となりました。
給食調理員の行為がルール違反であったことは明らかですが、一方で、廃棄される食材を有効活用できないのかという課題も浮き彫りになっています。
今後、学校給食のルールを見直し、適切な食品ロス削減策を検討する必要があるのかもしれませんね。
通報者は誰なのか?
今回の問題は、匿名の通報によって発覚しましたが、通報者の特定には至っていません。
しかし、以下のような可能性が考えられます。
- 学校関係者
- 給食の現場を知る関係者が、内部のルール違反を問題視して通報した可能性があります。
- 保護者やPTA関係者
- 学校の運営や給食の衛生管理に関心のある保護者が、情報を入手して通報した可能性も考えられます。
- 他の職員や調理員
- 給食調理員の中には、このまかない作りを良く思わなかった人がいた可能性もあります。内部告発の形で通報が行われた可能性も否定できません。
この点については、市の教育委員会も詳細を明らかにしておらず、通報者の特定が公になることはないと考えられますね。
他の類似事例
名古屋市の小学校では、2022年2月に給食調理員が冷凍保存されていた食材を持ち帰ろうとし、懲戒免職処分を受けた事例がありました。
具体的には、以下の食材を自宅に持ち帰る目的で鞄に入れていたことが問題となりました。
- 油揚げ2袋
- クロワッサン1個
- リンゴロールパン1個
この事例では、懲戒免職処分が下されましたが、裁判所は「処分が重すぎる」と判断し、処分を取り消す判決を下しました。裁判所が考慮した点は以下の通りです。
- 窃取された食材の価値が少額であること
- 持ち帰ろうとした食材が保存期限切れで、廃棄予定だったこと
- 非違行為が一度限りであったこと
- 業務に大きな支障を与えていなかったこと
この判決により、懲戒免職処分は取り消されました。
これらの事例からも、給食調理員の処分に関しては行為の重大性と処分の適切性のバランスが重要な論点となっていることがわかります。
まとめ
今回は、京都市の小学校で給食の残り食材を使ってまかない料理を作った調理員2人が懲戒処分を受けた事案について調査しました。
ネットでは、賛否両論な意見について、調査しました。また、他県でも同様のケースを紹介しました。
最後まで、ご覧いただきありがとうございました。
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