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『ギア?それともレッスン?』vol.4〜今さら聞けない!?(日刊スポーツWEBコラム「ゴルフ体験主義」マンスリー連載中:2018.7再編集)

「フラット」「アップライト」の言葉の中身

今年の関東は、あっという間に梅雨が明けてしまいました! 「夏大好き!」な僕にはうれしいしい季節ですが、「暑過ぎてゴルフはお休み…」って方には「インドアゴルフレンジKz(ケーズ)亀戸店」のように、空調の中で快適に練習もできます。天候や体調で環境を使い分けることが、上手にゴルフを楽しむコツではないでしょうか?

ゴルファーにとって、クラブはアドレス(地面)基準で感じる

僕がヘッドティーチャーを務める「インドアゴルフレンジKz(ケーズ)亀戸店」では、クラブを中心とした「ギア」と「ヒトの動き」のスイングを同時に改善することがテーマです。
よく使う「フラット」「アップライト」の言葉は、あまりにも便利すぎて(?)意外に「そこは逆ですよ!」って事があるってご存知ですか? 混同しないように、まずクラブを語る際に使う「フラット」「アップライト」を、改めて説明したいと思います。

ちなみに、「フラット(flat)」の言葉は、「平ら」「平坦」、「アップライト(uplight)」は「直立」です。0度に近づくほどフラットに、90度に近づくほどアップライトに…など、「角度」を表す言葉として、ゴルフでは主に使います。
話は脱線しますが、コースを語る際に「フラット(平坦)なコース」とは使っても「アップライトなコース」とは使わないですよねw

クラブの「ライ角」は、シャフト軸基準で「ソール」を計測

最近はあまり言われなくなりましたが、「アップライトなクラブはつかまりが良い」って話、聞いた事はありませんか?
クラブヘッドの「ソール」と呼ばれる底の部分を左右均等に置いて、垂直に近づくほどアップライト、角度が寝るほどフラットになります。この段階ではクラブ自体につかまる要素はありません。しかし、実際にはアドレス写真のように、人間はクラブのライ角度より「寝かせて」構えます。これを「アドレスライ角度」と呼んでいます。

ちなみに、この写真のアドレスライ角度は45度。つまり、クラブ自体のライ角度からアドレスライ角度を引いた分、「クラブのトゥ」は上がった状態になります。人間が「フラット」に構えるほど「差し引き効果」が大きくなるので「アップライトなクラブ」になり、構えた時のクラブフェースが左を向きやすくなります。「つかまりが良い…」の中身は、実は人間が構えた時に、クラブフェースが左に向きやすいことが主な理由なんです。ややこしいですよね!?

ライ角はスコアライン基準じゃないの?

クラブのライ角は「スコアラインが基準じゃないの?」。そんな疑問もあるかと思います。スコアラインは、視覚効果やインパクトの接触効果を狙ったデザイン&設計にも利用されています。写真は、思い切り効果を狙ったもの(ヨネックス)ですが、ここまでではなくても、特にドライバーやウッドのスコアラインはソールに対して少し傾けているモデルがほとんどどです。イギリスR&Aが定めるクラブのライ角「計測方法」は、全てのクラブにおいて「ソール基準」になっています。

スイングで使う「アップライト」「フラット」の基準は様々

レッスンの現場で使われる「フラット」「アップライト」の言葉は、クラブよりはるかに混同しやすいです。もしかしたら、皆さんを教えてくださるレッスンプロでさえ間違ってしまう可能性があるくらい、「使うことが難しい」のです。その主な理由は、「基準」がそれぞれ異なるから! 実際に、写真の例を見ながら説明します。

・まず、「スイング面」について。

ボールと首の付け根を結んだラインを一般的に「ホーガンプレーン」や「ガラス板」など、ヘッド軌道を見る場合の「目安」に使うことが多いです。左が「アップライト」、右が「フラット」になります。クラブを持つ「アドレス時のライ角」も同じです。左が「アップライトなスイング」に。右が「フラットなスイング」になりやすいと言われています。

・次に身体のラインについて。

左のアドレスは「肩や腰のライン」に目を向けると、実は地面に対して「フラット」に使いやすい状態になっていることがわかります。身体の上下動を少なくしたい場合は、左のアドレスの方がオススメです。
まとめると、前傾が浅くなり「アップライト」にクラブが動くアドレスをすると、身体は逆に「フラット」に使いやすくなります。一方、前傾が深くなり「フラット」にクラブが動くアドレスををすると、体は逆に「アップライト」に使いやすくなるということです。
レッスンの現場などで「もっとタテにスイングして」などの言葉って、「クラブの事か?」「カラダの事か?」とレッスンプロの方に確認する必要がありますね・・・

カラダとクラブをトータルで知る「生徒力」を身につけよう

「結局どうしたら良いの?」の声が皆さんから聞こえてきましたので(苦笑)、そろそろ具体的な提案をしたいと思います。
直立気味のアドレスをすると、比較的カラダを「フラット」に深く捻転しやすくなります。また、「腕の振り上げ方」でスイングプレーンをコントロールしやすいメリットがあります。
写真のように、肩のラインより「アップライト」に腕を振り上げると、クラブも併せてアップライトに動く事になります。しかし、クラブフェースは地面に対してオープンになりやすいので、左のミスが嫌な人やフェードボールを打ちたい人に向いています。
一方、カラダに腕を巻き付けるように「フラット」に腕を振り上げると、クラブも低く動きます。クラブフェースはクローズになりやすいので、ボールをつかまえやすくなります。
「フラット」「アップライト」の言葉って使い慣れているのでついつい使ってしまいますが、本当は場面に応じて使い分けた方がわかりやすいです。「タテ」「ヨコ」の言葉も同様です。

文・構成/猿場トール

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