「利き腕」でスイングが変わる!?
300yを越えるドライバーショットを放つトッププロたちの力強いインパクトに憧れる方は多いと思いますが、実際はなかなかマネ出来ないのが現実。時代やギアが変わっても実は「一定の法則」があるのですが、今回は「利き腕」をテーマにいくつか取り上げてみたいと思います!
一般ゴルファー最大の敵「肘引け」と「利き腕」の関係性
一般ゴルファーの皆さんから寄せられるスイングの悩みの1つが「肘の引け」。スライスしたり、飛ばなかったりはもちろんのこと、上級者の方でも「自分のスイングで嫌いな所」と考える方が多いようです。ゴルフ雑誌などの特集記事でも多く取り上げられる題材なので、方法論は既にたくさん発信されています。
そんな中「プロは?」というと、J・スピース選手やB・ケプカ選手など一見「左肘引けてる?」なスイングのプロも多く活躍していたりで、「結局どうすれば良いの?」なご意見も多く頂いています。
先に答えを言ってしまうと、「肘引け」と「脇が空く」は別のものと考えています。また「利き腕」の話でいうと、J・スピース選手は左利き。レフティーのP・ミケルソン選手は右利き。一般ゴルファーの皆さんに比べて、プロゴルファーの人は「リードする腕が利き腕」が多いって知っていましたか?
「雑巾絞り」テストで◯◯が分かる?

いきなりですが、先入観なしで「雑巾絞り」をやってみて下さい(笑) いろいろな人に「雑巾絞り」テストを行った所、「インパクトと関連があるのでは?」と仮説を立てています。また、今回の「利き腕」のテーマとも実は関連があります。
解説付きの写真は、スライスしか出なかった時代の僕の雑巾絞りを再現したものです。当時は僕の師匠(後藤修先生)からメチャクチャ怒られて人工的にやり方を変えました。
加えてこのテストでは、「利き腕」の力の入れ方や配分を見ます。右利きの方なら当然、雑巾を絞るために「力の入れやすい方向」に無意識に力を使うはず。特にドライバーショットのように、飛ばしたい時のインパクトでは傾向がそのまま形に表れやすいようです。
アドレス→インパクトで、左手首の「形は変わる」

「フラットレフトリスト」という言葉が発表されたのは、何と50年も前の米レッスン著「ザ・ゴルフィングマシーン」という専門家の間でも「奇書」とも呼ばれています。(日本語版は、大庭可南太「ゴルフをする機械」が発売中です)
しかし、米ではB・デシャンボーはじめトッププロ、レッスンプロにファンが多い知る人ぞ知る本です。
話は戻って・・・改めてトッププロたちのインパクト写真を見てみると、アドレス時のグリップの型に関係なく「左手首がまっすぐ」、いや、左利きのスピース選手は膨らんでいる形になっています。「ハンドファースト」とも「シャットフェース」とも言える共通の形です。
左利き&左手リード向けインパクト
左腕リードを強調したインパクトをしたい人やスピース選手のように「左利き」の方にオススメなのが、バイクのアクセルを前に出すような左手の絞りトレーニングです。
バックスイングの早い段階で行うとトップでフェースが上を向く「シャットフェース」になりますし、ダウンスイング時に行うと「つかまるタメ」を作りやすくなります。インパクトで行うと「ハンドファースト」に。この動きは、行う場所こそ違えど「同じ動き」なんです。
「引いて切る」日本のノコギリとは逆の「押して切る」西洋式ノコギリなど、生活習慣の違いがスイングに影響しているのかもしれません。
右利き向けインパクト作り

どうしても強い右利きで打ってしまう方にも、方法はあります。要するに「右手首が凹んだ」状態でインパクトできればOKなので、この形のままボールを打ち抜く感覚を養うことです。結局グリップは「両手」で握っているので、左右の手首を「コネる」ことなく使えれば良いだけです。「右手」「左手」それぞれの「片手打ち」で調和がとれていることが重要です。利き腕を殺すのではなく、「活かしている」人が飛ばしています!
「スインティー」ってご存知ですか?
着るタイプの練習ツール「スインティー」。写真の「ぞうさんの鼻」のような(笑)真ん中にある穴から腕を通してスイングすれば、「肘の引けが出来ない!」優れモノです。パターからフルショットも出来ます!
片手打ちby「スインティー」
ちょっと気持ち悪い画かも・・・ですが、それぞれ「片手打ち」を「ツインティー」を着用して行うと、さらに効果的です。まずは「利き腕」でやってみてから、補助的に反対の腕の使い方を覚えると、比較的簡単にマスターできます。
手首を凹ませた時には簡単に引けてしまう肘ですが、「フラットレフトリスト」の状態に手首を絞るとほとんど出来ない事が分かると思います。
文・構成/猿場トール