100人いれば100通りの答えがある――。注目の最新ゴルフクラブをヘッドスピードが異なる3人の有識者に試打評価してもらう当チャンネル。ミスショットも余すところなくお送りするノーカットが信条のリアル試打コーナー。スイングタイプで異なるレビュー内容、三者三様のインプレッションを基本展開とし、ゲスト試打者にも登場していただく。
テーラーメイド【SIM2 MAX ドライバー】 発売日:2021/02/19
既成概念を打ち破る、革新のSIM2 MAXドライバー。新開発「フォージドミルドアルミニウムリング」をはじめ、革新的なアイデアとテクノロジーを搭載。精緻な設計が生み出す先進のヘッド構造は、ゴルファーの求める高初速、高弾道、飛距離、寛容性の共存を実現する。
テーラーメイド「SIM2 MAX ドライバー」の評価は!?
アルミニウムパーツの採用や溶接を一切使わないヘッド製法などで、今季新商品の話題を独占しつつあるテーラーメイド「SIM2」シリーズ。中でも「SIM2 MAX ドライバー」は、飛距離性能と寛容性を併せ持つモデルとして、多くのアマチュアゴルファーが期待を寄せる。そんな革新的モデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?
「フェースの一体成型が大きく影響」
プッシュアウト気味に右方向に飛んでいく弾道が多かった
―率直な印象は?
「前作『SIM』シリーズから、ヘッド製法や採用素材がガラッと大きく変わりました。特に大きな変化が、フェースがボディと一体成型になった点。スイートエリアの拡大を感じやすく、ミスヒット時にも、芯に当たった時と変わらない打感で振り抜けるので、寛容性の高さを実感しました」
―打感の寛容性…?
「はい、そうです。フェース面のどこで当たっても打感が変わらないことで、結果的にグリッププレッシャーが変わらず、いつも同じ力感でインパクトができます。また、フェースの開閉も少なく収まり、大きなミスが出にくい。インパクト時のヘッド挙動を抑える効果がある点で、寛容性の高さを感じます。慣性モーメントを大きくすることで、直進性の高さを追求するピンゴルフとは、また違った形の寛容性と言えそうです」
―ボールの曲がり幅を収める寛容性ではなく?
「そうですね。前作『SIM MAX ドライバー』と同様に、直進性に特化したモデルではないと思います。自分でボールをつかまえられる人のほうが、メリットを得やすいかもしれません。アベレージゴルファーの基本的な弾道の傾向で言えば、ストレートから右方向に出やすいモデル。フックは出にくいので、左方向へのミスが怖い人には、安心感が持てる構造と言えるでしょう」
―打感の印象は?
「フェース面のどこで当たっても、芯でとらえた時と変わらないので、従来モデルよりとてもやわらかく感じられました。打点がズレてもやわからさが伝わる回数が多かった、と言うべきでしょうか。一方で、ミスのフィードバックが得にくく、打感がボヤけると評価する人はいるかもしれませんが、この『SIM2』シリーズに感じる新しい変化は、5年後には主流になっている可能性も否めません。ドライバーの(アイアンに例えて)キャビティ化が始まったと考え、前向きに捉えるべきと主張します」
―兄弟モデル「SIM2」「SIM2 MAX-D」と比べてどう?
「新製法の中で、ヘッド体積460ccの寛容性を最大限に生かした『SIM2 MAX』。ライナー系で自ら弾道をつくりやすい『SIM2』。ドローモデルというより少し操作性の良さが加わった『SIM2 MAX-D』。3モデルとも個性が出ていて、選びやすくなっています。個人的には、少し大きく見える『SIM2 MAX-D』が、コースに出た時の安心感として、スコアメークを後押ししてくれる気がしました」
―どのような人向き?
「やさしさ、操作性、全てにおいてシリーズの“真ん中”に位置しているのが『SIM2 MAX』だと思います。ボヤけた打感やつかまりにくい特性、弾道の上がりすぎといった面で、不安に感じた時は、兄弟モデル『SIM2』『SIM2 MAX-D』を購入すれば良し。『SIM2』シリーズの基準として、各モデルの評価を見極める指標にすると良いと思います」
新しい寛容性の捉え方を主張【総合評価4.3点】
【飛距離】4.0
【打 感】4.5
【寛容性】5.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:10.5度
・シャフト:TENSEI BLUE TM50(硬さS)
・使用ボール:リトル・グリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトル・グリーンヴァレー船橋
記事特別提供/GDOギア情報「クラブ試打 三者三様」